サイト上では隠れていたキャラ。隠しキャラというわけではなく、新月は『コレットとジャックの物語である』というのがその理由でした。その割りにスチルが二枚あるのはまぁ趣味ですこれでも一枚減らしたんだ…。見ればわかりますが趣味全開キャラなのでつまりそれは描くのが一番楽しいということでして…。でもその勢いのままいくと完全に主役二人を食ってしまい、物語のメインテーマがぼやけてしまうという理由からあれこれカットされています。つまり今回製作者の力不足のせいで一番割を食ったキャラ。合掌。
前回もそうだったのですが私の中で妹はもう『兄が好きでしかたのないもの』となってしまっている所為でいろいろ描写が足りていないなぁというのは今後の課題です。

せめて人間ではない、人の理屈の通じない生き物という部分が表現できていればいいのですが。ジャックが「わかりあおう」とするのに対しトミーは「わかるつもりがない・絶対に理解できない」というのが基本姿勢です。

元ネタというかモチーフはヨークシャー・ランカシャー地方の妖怪（妖怪？化け物？）ローウヘッド・アンド・ブラディ・ボーン（赤むけ頭のトミー） 。初期構想段階ではこの名前の所為で妹ではなく弟でした。

キーワード：ドリル/狂いっ娘/グロ担当/妹　基本色：赤

また『逃げる主人公』かと製作初期頭を抱えさせてくれた主人公の一人。創一よりはもうちょっと人間としてはまともかと思われます（人間じゃないけど）。でもやってることは創一より性質悪いような…。本編中言及されたのは「彼女」だけですが、トミーが捕食ＥＮＤで、本人がトゥルーENDでいっている通り「彼女」以外とも同じことを何度も繰り返しています。それでもあきらめきれず人間が好きで、人間になろうとしてなれない化け物、というのがジャックの基本です。へタレというよりはおそらく往生際が悪いタイプ。因みにトミーとのＥＮＤがないのは立場としては兄より『青年』『逃亡者』属性な為です（兄属性ならＥＮＤ用意しましたとも）。ちなみに製作中身内からは「リア充」、私からは「うざいめんどい」と罵られていました。男性主人公の宿命です。「鎖とかねーよ！」とも叫んでいました。

元ネタ（モチーフ）はそのままヨークシャー地方の巨人ジャック・イン・アイアン（鉄枷のジャック）。トミーとモチーフ種族はちがいますが同じ地方（同じ共同体）の化け物＝家族というイメージでの構想です。因みに最初期の構想では人狼でしたがそれはいくらなんでもわかりやすすぎるかということで今の形に落ち着きました。

ヨークシャーなんだから白薔薇を描こうと初めのころ思っていたのにすっかり忘れて、メニュー画面やスタッフロール画像で思いっきり赤薔薇を使ってしまいああああああとなったというかなりどうでもいいエピソードが今現在進行形で出来ました。あああああ。結果的に赤のほうがいかにもそれっぽい連想をしやすいので多分こっちの方がいいんですがちょっと残念とても残念…。あ、ジャックとトミーはイングランド出身ですが物語の舞台は一応別の国を想定しています。

キーワード：青年/細い体/悪い顔色/悪い目つき/悪い簾/クマ　基本色：灰

今まで描いたことのないタイプの主人公。こういう設定でなければ動かす機会はないだろうと思うのですがおかげでシナリオが大層難産でした。

『魔女』ですが魔法を使えるというファンタジー的な意味での『魔女』ではない、というのは割りと早い段階で皆さん察してくださっていた気もします。自分の立場を受け入れる・そして疑問をもたないというのがスタート時の基本属性。ゲームが進行するとどうなるのかはご覧いただいたとおりです。

新月の真の意味での主人公は、やっぱりジャックではなくこの子なのかなと完成後に思いました。選択肢があるのは全てジャック視点の箇所のみなのですが、それでも最後のアレはコレット視点なので。コレットがどっちを選んだのか、という判断はプレイヤーの皆様にゆだねたいと思います。というかおそらくどっちを選んだ結末もあるのでご想像いただけると幸いです。
春裂きが凍織の為の物語だったように、新月はコレットの為の物語です。「孤独を知らなかった少女がそれを知り、同時にそこから救われる」というのがテーマです。同時に「歪みこそが救いであることもある」という「可能性」も、もう一つのテーマでした。



キーワード：少女/魔女/一人ぼっち/　基本色：緑